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2010年7月初作陶展にて撮影
2010年7月初作陶展にて撮影

なぜ陶芸の道に進んだのか

小学校三年生の時に福生市立福生第三小学校の図工の授業で陶芸を始める。小学校の図工の授業で陶芸が出来る様に福生市が電気窯及び陶芸機材一式を導入した時のことです。授業で陶芸の基礎を全て学び小学三年生から専門学校生まで学校で陶芸を学ぶ。その間多くの陶芸家に出会い様々な技法を学びました。

小学校の教師に基礎は手ろくろで、電動ろくろはまだ早いと教えられ社会人になるまで手ろくろで作陶していました。それは手ろくろがろくろの基礎であり手と体が土の動きを覚えるまで電動ろくろは使わない方が良いということでした。電動ろくろではモーターの力で土がなりたい形にならずモーターの力で土を形作ってしまい、土本来の味が無くなってしまうのです。(電動ろくろが適している土や技法もあります。)しかし、この教えが現在の備前炭炎焼を造るきっかけになっています。

社会人になり、有る陶芸家からプロになることを進められ、この時初めて電動ろくろを学ぶことになりました。

 

自分が目指す備前焼は土本来の味を出すこと。手廻しろくろで土に逆らわず土がなりたい形に引き上げる。桃山時代の柔らかな雰囲気の備前焼を作りたいと思って作陶しています。

手廻しろくろで備前を作っている人が居ないので、独学で作り方を学びました。しかし、小学生の頃学んだことが今生きている気がします。誰かに教えて貰うのではなく先人の器を見て自分で学ぶ。土のなりたい形を邪魔せず造る。そのことを常に心がけて作陶しています。

電動ろくろで作ったシャープなやきものも良いですが自分が今考えているやきものとは違うと思っています。

 

オール鉄製の手回しろくろ
オール鉄製の手回しろくろ

自分が使用している大型の手回しろくろです。直径50cmの鉄製で轆轤ぼせ(ろくろを回す木製の棒)を穴に差し込み、回転させて作陶しています。

現在備前焼作家で大型の手回しろくろで作陶している作家は自分だけになりました。

 

 

 

*大きさを比較出来る様にペットボトルを寝かしています。


なぜ独自の窯にこだわるのか

プロになると決めた頃、既製品の窯にするか自分で窯を築窯するか色々と考えました。しかし、人と違うやきものを造り上げたかったので自分で窯を築窯することにしました。燃料は環境のことも配慮して炭を選択しました。(炭だと煙が出ません)土は備前の土と決めたのですが、昇温温度の不安定な炭では備前は焼けないと各方面から言われてしまいましたが、窯の材質と構造そして窯の焚き方を考えて約10年試行錯誤しましたが成功出来ました。それが炭炎窯です。しかし、昇温、蓄熱等などから作品が100点前後しか入らない小さな窯です。備前炭炎焼は数が取れないのはそれが理由だからです。

備前炭炎焼最大の特徴は炭の炭素成分が多く作品に浸み込むことです。窯焚の焼成方法の一つで炭化焼成(サヤ鉢に作品と炭を入れて焼く焼成方法。主燃料は別の熱源)が在りますが、備前炭炎焼は炭化焼成では有りません。燃料の薪の変わりに炭で窯焚していると言った方が解り易いかも知れません。炭化焼成よりも長時間、炭で焼き続けているので、それによりお酒やお茶、珈琲がまろやかになり、お花はとても長持ちします。

 

正月飾りの炭炎窯
正月飾りの炭炎窯
林 茂  造 備前ぐい呑
林 茂 造 備前ぐい呑

備前市の有名な窯元さんがご好意で焼いてくれたぐい呑です。

備前焼と備前炭炎焼とでは焼き方が違うので、比較出来る様に備前の登窯で焼いた作品の写真です。土は炭炎窯で使用している土と同じ物で造ってあります。既存の備前焼がお好きな方は”備前焼”をお買い求め下さい。


なぜ花入にこだわるのか

備前炭炎焼の最大の特徴のひとつ、それは花保ちが良いことです。備前焼も花保ちが優れていますが、炭素成分を多く含んでいる備前炭炎焼は更に花保ちが優れています。それを身時かに感じてもらいたく豆花入を造っています。

豆花入なら、テーブルの上やデスクの上など小さなスペースが有れば何処にでも置くことが出来ます。好きな草花を好きな場所に…心にゆとりを持って生活して貰いたい。そんな考えから豆花入に力を入れて造っています。草花も生きています。備前炭炎焼なら長く生かせてあげて観賞できます。

ひとつひとつ土玉を作りろくろ挽きする一個挽き(玉作り)ですので、底の表情(アバタ底)もひとつひとつ違います。そんな所も備前炭炎焼の見所です。

 

備前炭炎焼 一輪挿し
伏せ焼き豆一輪挿し

クリスマスローズを切り花して、一週間で約1cmの根が出ました

 

*写真は切り花して一ヶ月経った写真です

花が長持ち
仏壇の菊

同じ日に生けた菊の花です。

 

左側が仏壇用花器で、右側が備前炭炎焼の小花入です。

お花の持ちが全く違うのがお分かりになると思います。


陶印(サイン)の見方

備前炭炎焼 窯印
陶印

炭炎窯の陶印は自分の名前の草冠をモチーフにしています。

 

Hayashiの"H"にも見え、縦に見るとShigeruの"S"にも見えます。


影響をうけている作家

 

備前焼

故 金重陶陽 故 西川政美

 

信楽焼

故 辻清明  岡野法世 氏

 

(妻有焼)

故 吉田明